現在、マニュアル車の台数は約1%まで落ち込み、もはや絶滅危惧種です。
新しく免許を取得する人の半分以上がAT限定免許だというのが実情です。
そんな中でも、数こそ多くはないけど確実に存在する「マニュアル車愛好家」。愛好家たちにとってこの現状は受け入れがたいものですね。
- マニュアル車がなくなる理由
- マニュアル車の魅力とは?
- 世界でのマニュアル車の販売動向
- マニュアル車に乗り続ける方法
この記事では上記について解説しています。
絶滅危機にありながらもマニュアル車でしか味わえない楽しみを振り返りましょう。
マニュアル車がなくなる理由
現在、新車乗用車のマニュアル車の割合は約1.5%と言われています。
すでに絶滅危機にあるのに、さらに減っていくのはどうしてでしょうか?
その理由には次のような例があります。
- 電気自動車の普及
-
電気自動車はエンジンがなく、モーターで走ります。モーターはその出力特性上、変速機を必要としません。また、電気自動車は低速でのトルクが大きく、発車直後から力強い加速が得られます。
- 自動運転技術の発展
-
自動運転技術が発展し、完全自動運転車が一般化すれば、車の運転を行う必要がなくなります。そもそも運転が必要なくなるので、変速機の操作も自然と必要なくなります。
- 燃費・排ガス規制の厳格化
-
燃費・排ガス規制の厳格化により、自動車メーカーはより効率的なエンジンを開発する必要があります。このような状況下では、スポーツカー用途の車の開発はメーカーにとっても難しく、マニュアル車が必要とされる場面が減少します。
今すぐになくなるということはないですが、将来的にどんどん減っていくことは避けられないでしょう。
ただし、メーカーによってはマニュアル車を続けることで、独自性を打ち出しているところもあります。
マニュアル車が愛される理由は何?その魅力とは
マニュアル車の操作性の良さとドライバーとの一体感
マニュアル車には、ドライバーとクルマが一体に感じられる独特な操作感があります。
エンジン回転数とシフトのタイミングを自分で調整しながら運転する。まさに自分の意のままに走り出せます。クルマとのコミュニケーションを感じることができます。
また、マニュアル車には、高い操作性からくるよる高いドライバビリティがあります。
上手に運転することで、クルマの性能を最大限に引き出し、状況に応じた走行が可能になります。
単にアクセルを踏むだけで動き出すAT車にはない魅力が、マニュアル車にはあります。
マニュアル車に乗る人たちの共通点は車に対する思い入れ
マニュアル車を愛する人たちは、ほぼ例外なくクルマに対して強い思い入れを持っています。
マニュアル車は、運転する楽しさを純粋に感じるのにぴったりな車です。
クルマの性能を最大限に引き出すために、オーナー自身が手を加えることができるという魅力もあります。
オイル交換といった日常のメンテナンスから、エンジンチューニングなど、オーナーがクルマに関わることで、より一層の思い入れを持つことができます。
最近では日産GT-RのようなハイスペックスポーツカーではAT車しか設定がないこともあります。
それでも、もう少し手の届きやすい範囲では、MT車をいじり倒す方が楽しさを感じられるでしょう。
自動車メーカーの戦略と市場動向 – マニュアル車の絶滅危機
自動運転技術が進む中でのマニュアル車のポジション
自動運転技術の進展により、マニュアル車の需要が減少しています。
現在の市販されているクルマのレベルでは自動ブレーキや高速道路での手放し運転レベルではありますが、今後は完全自動運転が実現できればマニュアル車の出番がありません。
自動運転車が主流になると、運転する楽しみやドライバーとクルマが一体となる人馬一体感のような独特な操作感が求められなくなります。
車の運転が「楽しみ」と考える人にとっては厳しい時代となるでしょう。
世界的な自動車市場の動向に影響を受けるマニュアル車
日本国内の自動車市場においては、マニュアル車需要はほとんどありません。しかしヨーロッパの自動車市場ではMT車が主流となっています。
しかし、近年では高級車を中心にAT車の需要も増加傾向にあります。
世界的にみても、自動車市場においてマニュアル車の需要は減少していく傾向にあります。それに伴い自動車メーカーもMT車の生産を縮小していく方向に舵を切っています。
絶滅危惧種であるマニュアル車に乗る魅力
マニュアル車は、クラッチペダルとシフトレバーを使ってギアを切り替えるため、自分で車両の動きをコントロールする感覚を味わえます。
また、ギアをうまく使い分けることで、車両のパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。加速感やコーナリング時の挙動など、マニュアル車ならではのドライブの楽しさを存分に味わえます。
渋滞時には面倒に感じられる場面も確かにありますが、マニュアル車は都市部や高速道路でも十分に運転がしやすく、実用性があります。
例えば、追い越しや坂道では、AT車はアクセルを強く踏み込むことでギアを下げて加速します。でもマニュアル車では、同じスピードでも事前にギアを落としておくことで備えることができます。
そのような追い越しや坂道での加速が自分の意のままにできるため、ドライブをより楽しむことができます。
これから乗るなら今!最後に手に入れるマニュアル車の選び方と注意点
新車と中古車の選び方 – メリット・デメリットを比較
マニュアル車を選ぶ際には、新車か中古車かどちらを選ぶかを検討することとなります。
新車のメリット・デメリット
- メーカー補償とアフターサービスを受けられる
- ラインナップが限られる
新車の場合、メーカーの保証やアフターサービスが受けられるため安心感があります。しかし、現在の国産車のラインナップでは選べる選択肢がかなり狭くなってしまうことがデメリットです。
中古車のメリット・デメリット
- 新車より安い
- 選択肢が多い
- 車によって状態が違う
- 知識と経験が必要
一方で、中古車の場合は価格が安く手軽に手に入れることができます。
しかし、状態や走行距離が車体によって千差万別。ただでさえマニュアル車は運転好きな人が多く、特にスポーツカーでは前のオーナーが改造を行っている可能性もあります。
そのため、状態が良い車を選ぶにはそれなりの知識と経験が必要となってきます。
中古車購入時のチェックポイント – 状態や走行距離に注意する
中古車を選ぶ際のポイントには以下のようなものがあります。
中古車選びのポイント
- 走行距離
- 年式(初度登録年月)
- ワンオーナー者かどうか
- 外装と内装の状態
- 電装系・車内装備の動作状況
- タイヤの状態
- 車検の残期間
- 定期点検・整備記録の有無
中古車を選ぶ場合は、車の状態や走行距離、年式をまず確認しましょう。
まずは車の外観や内装、エンジンルーム、タイヤなどを細かくチェックしましょう。特にボディについては、事故歴や修復歴があるかどうかを確認する必要があります。
また、エンジンルームも重要なポイントで、オイル漏れや異音がないか、タイミングベルトの交換時期なども確認しましょう。
タイヤの残り溝については、タイヤ交換までの期間に影響があります。ひび割れがある場合にはすぐに交換時期が来てしまいますので注意が必要です。
走行距離だけで車の状態を決めるのは間違いです。車の状態やメンテナンス状況によっては、低走行距離でも問題がある場合があります。
中古車の購入時には、プロの整備士による第三者目線でのチェックを受けることもおすすめです。
マニュアル車を守るために – 愛車の手入れやメンテナンスのコツ
マニュアル車を長く乗るためには、適切な手入れやメンテナンスが欠かせません。例えば次のようなメンテナンス項目です。
- エンジンオイルの定期交換
- タイヤの空気圧や溝のチェック
- ブレーキパッドの点検
- バッテリーの点検
マニュアル車はエンジン回転数を自分でコントロールするため、正しいシフトチェンジをすることも大切です。
ドライブシャフトやクラッチの異常を察知できるように、異音や振動にも注意しましょう。
正しい手入れとメンテナンスを行い、長く愛車を乗り続けることができます。
今後、マニュアル車が失われたら何が残るのか?車文化を考える
マニュアル車の絶滅によって、単なる手動で操作できる車がなくなるというだけではありません。
マニュアル車には、ドライバーの技術や判断力が必要とされ、自動車文化や車愛好家の文化と密接に関係しています。
また、マニュアル車は機械的な操作が前提となっているため、自動車の機械的な仕組みや原理を理解することができる良い機会でもあります。
マニュアル車を愛する人たちにとっては、マニュアル車という文化を受け継ぐことが大切だと思います。
このままマニュアル車が廃れていけば、マニュアル車のメンテナンスができる整備士や自動車技術者も絶滅してしまうかもしれません。
自動運転が便利で世の中に求められているというのは理解できるのですが、マニュアル車の愛好家としては、この流れにはあらがい続けたいと感じます。
- マニュアル車は今後なくなるのでしょうか?
-
将来的にマニュアル車がなくなる可能性はありますが、具体的な時期は不明です。
ただし、自動運転技術の進歩や環境規制の厳格化により、マニュアル車の需要が減少することが予想されています。
一方で、マニュアル車には独自の魅力や利点もあるため、完全に消滅するわけではないという意見もあります。 - ガソリン車はなくなるのでしょうか?
-
将来的にガソリン車がなくなる可能性があります。政府や自動車メーカーは、環境保全のためにエコカーの開発を進めており、各国でもガソリン車販売禁止の方針が出ています。
ただし、具体的な時期はまだ確定していません。 - いま、新車で買えるマニュアル車にはどのような車種がありますか?
-
以下の記事で紹介していますので、ご参照ください。
「新車で買えるマニュアル車一覧(準備中)」