マニュアル車って、別にメリットないよね?
車の免許を取るとき、あなたは"AT限定免許"を取得しましたか?
便利になったこの時代では、正直言ってマニュアル車にも乗れる普通の免許を取っても、一生マニュアル車に乗る機会もないかもしれません。
マニュアル車なんて時代遅れ
それでも、マニュアル車に乗るメリットは、果たしてあるのでしょうか?
この記事では、みんなが疑問に感じる「マニュアル車(MT車)メリット」について紹介していきます。
必要とされているには理由がある!
マニュアル車(MT車)とAT, CVTの違い
そもそもマニュアル車ってどういうこと?
マニュアル車とオートマ車では、トランスミッションの仕組みが違います。
まず、トランスミッションとは「エンジンの動力を、適切なトルクと回転速度に変速するための機構」です。
エンジンはその特性上、パワーの出る回転数が決まっています。そのため、トランスミッションの内部ギアをええ塩梅に調整して、車を適切に加速できるようにします。
そのギアの調整を、
「自分で操作する」のがマニュアルトランスミッション(MT)
「機械に操作してもらう」のがオートマチックトランスミッション(AT)です。
- マニュアルトランスミッション(MT)
-
自分でギアを選択、操作する
- オートマチックトランスミッション(AT)
-
機械が自動でギアを切り替えてくれる
マニュアル車(MT車)のメリット
わざわざ自分でギアを切り替えるなんて、なんのメリットもなくね?
そんなことはないよ…
マニュアル車のメリットは次の5つ!
- とにかく楽しい!
- エンジンブレーキがよく効く
- AT車より安い
- 効率的なギヤ選択で燃費良く走れる
- ペダルの踏み間違い事故が起こしにくい
マニュアル車の運転はとにかく楽しい!カッコいい!!
マニュアル車のメリットは、
『とにかく楽しい!!』
これに尽きます。
車を単なる移動手段として捉えている人には分からないかもしれません。
車から伝わる挙動のダイレクト感が特にこの気分を高揚させてくれます。
マニュアルミッションでは、エンジンからタイヤに動力が伝わる間に、AT車のように「滑り」はありません。
アクセルを踏んだ分だけ加速し、戻せばエンジンブレーキで減速します。
この細かい操作になれると、AT車の「滑り」がダルく感じられ、微妙な操作で加減速のできるマニュアル車のフィーリングが心地よく感じるのです。
エンジンブレーキがよく効く
エンジンブレーキは、アクセルを離した時にエンジンで生じる抵抗力を利用して減速する方法です。
これは、低いギアほどよく効きます。さらにマニュアル車の場合は、ギアとエンジンが直結しているので、流体でつながっているオートマ車よりも強く効きます。
そのため、うまくエンジンブレーキを使えばオートマ車よりもブレーキパッドを痛めずに、長持ちさせることができます。
マニュアル車はAT車より若干安い
マニュアル車のトランスミッションは、ATやCVTと比較すると単純な構造をしています。
そのため、新車価格で数万円〜10万円程度安くなることが多いです。
また、単純ゆえに故障しにくくメンテナンスしやすいので、維持費にも若干の差が出てきますよ。
マニュアル車は運転の仕方によって燃費良く走れる
先程お話しした通り、ATやCVTと比較して、マニュアル車は「滑り」によるロスがありません。
また、ギヤも自分で選べますので常に最適な状態で無駄なく走行することができます。
その効果で、丁寧な走りを心掛ければAT車よりも燃費が良くすることができます。
とは言え、最近のAT車も技術向上のおかげで燃費が良くなり、あまり差は感じられないかもしれません。
でもダルいAT車になんか負けてらんねーっ!
マニュアル車はペダルの踏み間違い事故を起こしにくい
マニュアル車とAT車でアクセルを踏み間違えた場合、次のような違いがあります。
- マニュアル車は止まる(エンストする)
- AT車は加速する
ATはエンストしない事がメリットですが、デメリットにもなり得るのです。
AT車の場合、エンストしない故にパニック操作になっても車は動き続けます。
ブレーキとアクセル間違えて、焦って余計に踏んじゃうってのが事故の原因…
もちろん、坂道発進時の後退や、踏切内でのエンストなど、マニュアル車特有の事故もあります。
マニュアル車だから安全ということはないので注意しましょう。
マニュアル車(MT車)のデメリット
マニュアル車の魅力は分かりましたが、実際のところはどうでしょう?
デメリットも残念ながらあります
- クラッチなど操作が多く面倒
- 渋滞時は特に面倒
- 選べる車種が少ない
- AT限定免許だと運転できない
- 物好きだと思われる
クラッチなどの操作が多くて面倒
マニュアル車の一番の楽しみは、興味のない人にとっては苦痛でしかありません。
AT車ならアクセルを踏むだけでいくらでも加速します。
でもマニュアル車だと、「半クラでスタートして、発進後にアクセル離してクラッチ踏んでギアを変えてクラッチ戻しつつアクセル踏んでまたスピードでたら…」という操作を永遠するのです。
要は面倒くさいんです。
マニュアル車の運転に関する注意事項は以下の記事にまとめています。
渋滞時の運転は苦痛
さらに渋滞ともなれば、常に半クラで左足がプルプル…
いくらマニュアル車が好きでも、渋滞時だけは好きになれません。
左足つりそう…
マニュアル設定の車が減って選べる車種が少ない
そもそも、マニュアル車に乗りたくても、欲しい車に設定が無い場合が多々あります。
下の表は、国内の各メーカーにおける、モデル数に対するマニュアル車設定のある割合ランキングです。
マツダは健闘していますが、その他のメーカーは半分以上の車種にマニュアル車がなく、レクサスと三菱に至っては一種類もありません。
そもそも、選択肢にも入れられないのです。
順位 | メーカー | 割合 |
---|---|---|
1 | マツダ | 58.3%(7/12) |
2 | スズキ | 37.5%(6/16) |
3 | スバル | 16.7%(2/12) |
4 | ホンダ | 15%(3/20) |
5 | 日産 | 14.3%(3/21) |
6 | トヨタ | 10.3%(4/39) |
7 | ダイハツ | 7.7%(1/13) |
8 | 三菱 | 0% (0/10) |
9 | レクサス | 0% (0/11) |
マニュアル車のはミニバンなんて、乗りたくても乗れない…
AT限定免許ではマニュアル車は運転できない
当然ながらAT限定免許だとマニュアル車は運転できません。
教習所で限定解除の講習・技能試験を受けで合格すれば運転できるようになりますが、少し面倒ですよね。
さらに困るのが、マニュアルの自分の車で旅行に行くときです。
他のメンバーがAT限定だと、運転の交代ができません…
運転好きだからいいんですけどね。
車好きじゃない人から物好きと思われる
商用でも無いのにマニュアル車に乗っている人は、見る人から見たら変態(褒め言葉)です。
ただ気をつけなければいけないのは、マニュアル車に乗っていることを自慢げに話したり、AT限定免許の人をバカにしたりするのは厳禁です。
そんな人は、周りからどう思われているか…
それでもマニュアル車(MT車)に乗りたい理由
生活に必須かと言われると「No」と言わざるを得ないマニュアル車。
面倒くさいけど、楽しくて面白いこの車に乗り続けで行きたいというこの気持ちはどうしてだろうか。
あえて言うならば、「趣味」だから。
趣味って、多少面倒くさくてもそれを楽しむことができると思うのです。
それだけで十分
マニュアル車(MT車)に乗れるのは今が最後のチャンスかもしれない
現在、乗用車新車販売数におけるMT車の割合は約1%といわれています。
また、新規免許取得者も半分以上がAT限定と言います。
ただでさえ少ないのに、今後トランスミッションが不要なEVが普及すると、さらに乗れる機会が減ってしまいます。
MT車がもはや骨董品として扱われ、中古車でしか手に入らない時代がくるのはそう遠くないかもしれません。