今となっては、絶滅危惧種とも言えるマニュアル車(MT車)。
商用車を除くと、マニュアル車の割合は1%程度。その上、今免許を取る人の半分以上がAT限定という統計です。
新車で販売されているモデルの半分以上はマニュアル車の設定すらありません。
そんな中でも、車を運転するのか好きな人にとっては、マニュアル車も一度は検討してみたことがあるのではないでしょうか。
とは言え、AT車の方が手軽なのは事実。
このページでは、マニュアル車を購入しようか迷っている方が後悔しないよう、メリットやデメリットについて解説いたします。
ちなみに筆者は、現在は家族と共用でATのファミリーカーに乗っていますが、独身時代にはマニュアル車に乗っていました。
その際の経験談もあわせて述べさせて頂きます。
本ページでは、CVTやAGSもAT車として一括りに扱わせていただきます。
マニュアル車(MT車)に乗って後悔すること|どんなデメリットが?
まずは、マニュアル車のデメリットについて確認してみましょう。
マニュアル車のデメリット
- 乗る車の種類を選択する幅が狭くなる
- 運転操作が多い
- エンストの恐れがある
- 坂道や渋滞時の操作が面倒
- 人と運転が代われない
選べる車の幅が狭い
まず、乗りたい車にそもそもマニュアル車の設定がないことがあります。
最近では、日産GT-RのようにスポーツカーであってもATだけと言うものもあります。
欲しい車にAT車しかない。まずそこで選択肢から外れる可能性があるのです。
運転操作が煩雑
AT車であればアクセルとブレーキ、そしてハンドルの操作だけで運転ができます。
一方でマニュアル車は、
- ハンドル
- アクセル
- ブレーキ
- クラッチ
- ギア
と、操作が増える上、それらを連動させて運転する必要があります。
発進時は半クラ、ブレーキも停止時はクラッチを踏んで、坂道発進も大変。
渋滞ともなれば、ずっと半クラで、ブレーキを離すだけで進むAT車とは大違いです。
MT車に乗って後悔するのは、運転操作の面倒くささが一番の理由でしょう。
人と運転が代われない
こちらは筆者も経験したことです。
車で小旅行といった時に、
車は自分しか持っていない
他の人はAT限定免許かペーパードライバー
このような時は、自分が運転するしかないです。
近場ならいいですが、片道何時間もかかるようなところだと、さすがに疲れます…
マニュアル車(MT車)のメリット
マニュアル車のメリット
- 車との一体感を楽しめる
- ペダルの踏み間違いを防げる
では、なぜマニュアル車に乗るのか?
運転が楽しいから!
それだけで十分なのです。
思うままのタイミングでギアチェンジを行い運転することは、マニュアル車にしかない楽しみです。
また、アクセルのダイレクト感もAT車にはない特徴で、ドライバーの運転する喜び・楽しみはMT車だけでしか感じらません。
よく聞き事故の一つに、アクセルとブレーキの踏み間違いがあります。
というのも、AT車は操作をミスし、ブレーキと間違えてアクセルを踏んでしまったとします。
すると車は急発進してしまうため車が暴走する結果となります。
一方でマニュアル車は停止時にはクラッチを踏んでいますから、アクセルを踏んでも発進することはありません。
クラッチを踏んでいなくても、エンストしてストップしてしまいます。
その点では、AT車より安全といえるでしょう。
マニュアル車(MT車)はどれだけ減ってる?
マニュアル車の割合は、今では約1%と言われており、2010年以降もジワジワと減ってきています。
また、国内の車メーカーが販売する車種も、メーカーによってはMT車のあるモデル自体が販売されていないこともあります。
順位 | メーカー | 割合 |
---|---|---|
1 | マツダ | 58.3%(7/12) |
2 | スズキ | 37.5%(6/16) |
3 | スバル | 16.7%(2/12) |
4 | ホンダ | 15%(3/20) |
5 | 日産 | 14.3%(3/21) |
6 | トヨタ | 10.3%(4/39) |
7 | ダイハツ | 7.7%(1/13) |
8 | 三菱 | 0% (0/10) |
9 | レクサス | 0% (0/11) |
少し前までは、マニュアル車の方が安い、燃費がいいといったメリットもありました。
しかし、最近では技術の進歩により逆転しているケースもあります。
MT車乗りにとってはこれからますます肩身の狭い世の中になっていくかもしれませんね。
…ということは、買うなら今しかない!
マニュアル車(MT車)は本当に不人気
マニュアル車は不人気ゆえにその姿を消しつつある
本当でしょうか?
マニュアル車が人気の車種もある|ATを選ぶと後悔する車たち
実は、車種によってはマニュアル車の方が人気の車もあるのです。
- マニュアル車が人気(AT車を選ぶと後悔する)の車種
-
- スズキ スイフトスポーツ
- スズキ ジムニー・ジムニーシエラ
- マツダ ロードスター
- トヨタ GR86・スバル BRZ
例えば、マツダ ロードスターは国内では数少ないオープンカーのライトウエイトFRスポーツカーです。
非力ながらもその軽快な走りは、初代から4代目となる今でも絶大な人気を誇っています。
トヨタ GR 86は、トヨタとスバルが共同開発した車を、トヨタのスポーツブランド「GAZOO Racing」がさらにブラッシュアップした車。
往年の名車、AE86の名を継ぐスポーツカーですね。
スズキ ジムニーは、スズキの本格派軽オフローダー。MTのローギアで悪路を駆け抜けるのは爽快です!
おすすめのマニュアル車
人気車種の中でも、はじめてのマニュアル車にピッタリの車を2台、ピックアップしました!
1. スズキ スイフトスポーツ
スズキが誇るFFライトウエイトスポーツ!
スイフトスポーツは軽量コンパクトを武器に、軽快感のある走りをさせてくれます。
4代目の本モデルは、これまでのNAエンジンとは異なり、ダウンサイジングターボと生まれ変わりました。
これにより、先代までは不足していたトルクもモリモリのため、スポーティながらも運転しやすい車に仕上がっています。
高性能ながらもコストパフォーマンスに優れる車でもあります。
SUZUKI SWIFT SPORTS(FF)
価格 | 2,017,400円~ |
ミッション | 6MT |
サイズ | 3,890×1,735×1,500 |
重量 | 970kg |
エンジン | 1,371㏄ 直4ガソリンエンジン |
最大出力 | 103kW(140PS) /5,500rpm |
最大トルク | 230Nm(23.4kgf/m) /2,500-3,500rpm |
燃料 | ハイオク |
燃費 | 17.6km/L(WLTCモード) |
2. マツダ2(デミオ)スカイアクティブD
もう一つのおすすめは、マツダ2(デミオ)の中でもクリーンディーゼルエンジン搭載のXD Proactiveグレードです。
ディーゼルエンジンは低回転でのトルクが強力なため、クラッチ操作に慣れる前でもエンストしづらく、初心者でも運転しやすいでしょう。
また、燃費も25km/Lと非常に優れ、軽油のため燃料費も安いのも魅力。
おすすめのマニュアル車です!
Mazda 2 XD Proactive(FF)
価格 | 1,991,000円~ |
ミッション | 6MT |
サイズ | 4,065×1,695×1,500 |
重量 | 1,110 kg |
エンジン | 1,498㏄ 直4ディーゼル |
最大出力 | 77kW(105PS) /4,000rpm |
最大トルク | 250Nm(25.5kgf/m) /1,500-2,500rpm |
燃料 | 軽油 |
燃費 | 25.2km/L(WLTCモード) |
車の運転を純粋に楽しみたいならマニュアル車(MT車)もあり
いま世界では既に、内燃機関のエンジンからEVへのシフトが進もうとしています。
そうなれば、ますますマニュアル車を選択できることが少なくなっていくことが予想できます。
「マニュアル車に乗りたい」と思っているなら、今が最後のチャンスかもしれません。
マニュアル車を購入して後悔しないためにも、「なぜマニュアル車に乗るのか」を明確にして、車選びをしましょう。
若者であれば購入するだけの資金が足りないかもしれません。
そんな時は、中古車や『車のサブスク・カーリース』であれば、頭金なし・月々定額で車に乗ることもできます。
ぜひご検討ください!
よくある質問・疑問
- マニュアル車の操作が面倒くさくなりますか?
-
ある程度慣れてしまえば、呼吸をするように意識せずにギア・クラッチ操作できるようになります。
ただ、上り坂の渋滞はしんどいです。 - マニュアル車を買って後悔するのはどんな人ですか?
-
車を「日常の足」、「移動するための道具」と考えている人にはおすすめしません。
逆に、「車の運転を心の底から楽しみたい」と言う方にはおすすめです。 - AT限定免許ですが、MT車に乗りたいです。
-
「限定解除」をする必要があります。
教習所で技能講習を受け、運転免許試験場で申請する必要があります(試験場では検定等はなし)。
費用は5万円前後必要となります。