マニュアル車の運転に慣れてくると、クラッチやシフト操作も無意識でできるようになります。
でも実はそのやり方、間違っているかもしれませんよ?
いつの間にか操作が荒っぽくなっていませんか?
教習所では教えてくれませんが、少し意識するとクラッチやギヤにかかる負担をグッと減らし、車を長持ちさせることができます。
例えば、「マニュアル車でやってはいけないこと」つまりNG行為には以下のようなことがあります。
- クラッチに負荷をかける行為
- 間違ったシフト操作
- 危険な運転
クラッチの寿命は、優しい運転であれば10万キロ以上交換なしでも大丈夫です、一方で荒い運転では4〜5万キロ程度でダメになってしまいます。
この記事では、大切な車を長く乗り続けられるためにやってはいけないこと、NG行為、意識した方がいいコツを紹介します。
【絶対NG】マニュアル車(MT車)でやってはいけないこと
マニュアル車に乗る上で、車を傷める原因となるNG行為を9個紹介します。
基本的に、マニュアル車でやってはいけないことはクラッチやギヤを痛める行為です。
マニュアル車でやってはいけないこと・NG行為
- 半クラをしすぎる
- 強引なシフト操作をする
- クラッチを過度にゆっくり操作する
- 走行中にクラッチペダルに足を乗せたままにする
- 信号待ちでクラッチを踏みっぱなしにする
- シフト操作や発進時に強いショックを起こす
- エンジン回転数をレッドゾーンに入れる
- 常に2速発進する
- 走行中にシフトノブに手を乗せたままにする
車に長く乗りたいと考えているなら、これらを守ることが大切です
1. 半クラをしすぎてはいけない
半クラは、クラッチを少しだけ繋げた状態でアクセルを踏んでいる状態です。クラッチプレートが滑りながら、ある程度のパワーをギアに伝えている状態です。
半クラをしすぎるとクラッチが磨耗し、寿命を縮める原因になります
摩擦によって熱が生じますし、ジャダー(半クラッチ時に発生する振動や異音)の原因にもなります。
半クラにしている時間をできるだけ短くし、クラッチペダルを踏みすぎないようにしましょう。もちろん、シフト時にショックをだすのも良くないので、スムーズにクラッチを繋ぐのを意識しましょう。
半クラの時間はできるだけ短く、スムーズな操作をしよう!
2. 強引なシフト操作をしてはいけない
クラッチをきちんと切らなかったり、シフトが入りづらいのに無理やり入れようとするのは厳禁です。
スムーズにシフト操作できないのは、どこか噛み合っていないところがあるということです。
強引なシフト操作をすると、ギアが傷ついたり、トランスミッションに負荷をかけたりすることがあります。
それでも強引に操作すると、シフト操作のミスや車を壊してしまう結果に繋がりかねません。
シフト操作は力を抜いて優しく行うこと!
無理やりギヤを入れるのは厳禁!
3. クラッチの操作は素早くし、過度にゆっくり操作してはいけない
クラッチを過度にゆっくり操作すると、エンジンとトランスミッションに負荷をかけます。また、クラッチディスクに過剰な摩擦を与え、磨耗を早めることになります。
クラッチ周りのパーツに癖がついてギアが入りにくくなったり、ジャダー(半クラッチ時に発生する振動や異音)の原因にもなります。
そのため、クラッチペダルの操作は素早いスムーズにすることが大切です。
もちろん、早く操作しすぎてショックが出るようではいけません。
クラッチ操作はショックが出ない程度に、素早くするようにしましょう。
シフト操作は素早くスムーズに!
4. 走行中にクラッチペダルに足を乗せたままにしてはいけない
走行中にクラッチペダルを踏んでいなくても、足を乗せたままにするのはNGです。
走行中にクラッチペダルに足を乗せていると、クラッチがわずかに離れた状態になり、摩耗を早めます。
また、クラッチプレートが滑りやすくなります。
この状態が長時間続くとクラッチが熱を持ち、最悪焼けてしまいます。
クラッチが完全に滑るようになってしまうと交換が必要となります。
クラッチの操作をしない時は必ずペダルから足を離す!
5. 信号待ちでクラッチを踏みっぱなしにしてはいけない
クラッチカバーには「レリーズベアリング」というパーツがあり、クラッチを踏んでいる時はこれが高速回転しながらがカバーに当たっている状態です。
クラッチを踏んでいる間は、レリーズベアリングが回転を吸収しています。
通常であれば問題ありませんが、長時間クラッチを踏みっぱなしにしているとレリーズベアリングが摩擦によって高温になり、最終的に焼き付いてしまって異音やクラッチカバーの異常摩耗につながります。
信号待ちではギアはニュートラルに入れてクラッチは踏まない!
6. シフト操作や発進時に強いショックを起こしてはいけない
シフト操作の際にショックが生じているということは、何かしらの衝撃が車のエンジンやギアにかかっている状態です。
半クラの時にアクセルが足りずにガタガタする場合も同様です。
トランスミッションや駆動系に負荷がかかり、故障の原因となります。また、乗っている人の快適性にも影響を与えます。
クラッチ板が摩耗したり、ひどい場合はミッションのパーツが壊れて交換になってしまうなど、場合によっては高額修理となってしまいます。
シフト操作や発進時は、軽い力で行うようにしましょう。また、適切な回転数で発進することで、スムーズな加速が可能となります。
シフト操作は優しく、スムーズに!
7. エンジン回転数をレッドゾーンに入れてはいけない
エンジンの回転数には上限があります。”これ以上回転を上げると車が壊れるよ“という警告が「レッドゾーン」です。
加速している時はレッドゾーンに入ってしまうことはあまりないでしょう。
気をつけなければいけないのはシフトミスです。
4→5速に上がる時に間違えて3速に無理やり入れてしまったと言う場合です。
回転数が上がってしまうので、レッドゾーンに入ってしまう恐れがあります。
レッドゾーンではエンジンやギアのパーツが負荷に耐えられず、壊れてしまうかもしれません。
気をつけましょう。
レッドゾーンに入らないように、シフトミスには気をつけよう!
8. 常に2速発進をしてはいけない
人や車によっては、2速発進の方が楽にスタートできると言う場合はあるかもしれません。
しかし2速発進はクラッチ板やエンジンに負担をかけてしまう行為です。
発進時は、1速で発進するようにしましょう。1速で発進することで、エンジンやクラッチにかかる負荷が軽減され、スムーズな発進が可能となります。
ただし、軽トラのように荷物を乗せた状態での1速発進が想定されてる場合、空荷の時は2速発進で問題ありません。
下り坂や空荷の軽トラ以外は1速発進厳守!
9. 走行中にシフトノブに手を乗せたままにしてはいけない
シフトノブは手の置きやすい位置にありますよね。
また、マニュアル車の運転はシフト操作を繰り返すので、シフトノブに手を置いたままにしてしまいがちです。
そんなときにはシフトノブに手の重さをかけないように注意してください。
シフトノブにかかる負荷が増加し、トランスミッションや駆動系にも負荷がかかり、故障の原因となります。
マニュアル車のシフトノブは、直接トランスミッションに繋がっています。手をシフトノブの上に置いたままにすると、ミッション内部のパーツが摩耗する恐れがあります。
シフトノブにゴミ袋をかけたりするのも、同じ理由でNGだよ!
すぐに故障すると言うわけではありませんが、車の寿命を縮めることとなります。
シフトノブには手を置いたままにせず、ハンドルを握ろう!
このように想像以上に面倒で、「マニュアル車はうざい!」と思われることも多々…
もちろん、今回紹介したことを一回やっただけで壊れるなんてないから安心してね!
普段からやってはいけないことばかりしてるとは、ダメージが蓄積するんだね。
そもそもの原因|マニュアルトランスミッション(MT)とクラッチの仕組み
『クラッチ』ってどんな部品?
エンジンとトランスミッション間にある、ディスク型の「動力伝達装置」のことです。
エンジンの動力をタイヤに伝えたり、遮断したりする役割を担っています。
AT車にはクラッチペダルはありませんが、「トルクコンバーター」という部品が似たような役割を果たしています。
クラッチを交換することはほとんどないけど、
消耗部品だよ…
『トランスミッション』ってどんな部品?
「トランスミッション」とは変速機のことで、クラッチを通してエンジンからの動力をタイヤに伝える装置のことを指します。
トランスミッションには様々なサイズの歯車が組み合わさって、エンジンの動力を適切な回転数に変換します。
また、トランスミッションにはシンクロメッシュ機構が採用されています。
シンクロメッシュ機構は、回転数の違う軸の回転を同調させる仕組みのこと。これがないとスムーズにシフトチェンジができません。
マニュアル車の場合、無理な運転をするとクラッチとトランスミッションに大きな負荷がかかり、車を傷めることとなります。
クラッチやトランスミッションをいたわって、長持ちする乗り方を心掛けたいよね
やった方がいい車に優しい乗り方のコツ
気に入った愛車に長く乗るには、とにかく車に優しい運転を心掛ける必要があります。
優しい運転と言うと抽象的ですが、まずは以下のことを意識すればよいでしょう。
車に優しい運転をするコツ
- アクセル・ブレーキ・ステアリングはゆっくり操作する
- 安全運転を心掛ける
- 近距離移動は車を使わない
まず、「急」のつく操作はしません。
急アクセル…
急ブレーキ……
急ハンドル………
これらは危ないだけでなく、車にもストレスを与える原因となります。
安全運転を心掛ければ、おのずとこのような操作は無くなっていきます。
また、短距離の移動を繰り返すと、エンジンがあったまっていない状態での運転することとなります。
すると、エンジン内部が傷んだり、ススが溜まりやすくなります。
これらを意識するだけでもかなり変化するでしょう。
【まとめ】車を大切にするなら安全運転で!
マニュアル車に乗り続けていると、無意識にクラッチやギヤを痛めてしまっている可能性もあります。
クラッチに優しい運転を心掛けましょう。
また、乱暴な運転は車にストレスを与える原因にもなります。
しかし、安全な運転を心掛けると、自然と丁寧な運転となり、車にも優しいです。
車を大切にしたい! 長くこの車に乗りたい!
そういった方は、まず安全運転を意識してみましょう。